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研究室について


 本研究室は,平成14年4月に電気通信研究所ブレインコンピューティング研究部門次世代コンピューティング研究分野として発足しました.平成16年の改組に当たりブレインウェア実験施設の所属となり,名称も同年にブレインアーキテクチャ研究部,平成20年に新概念VLSIシステム研究室と改め,現在に至っています.


 本研究室の研究テーマは,新しい考え方に基づく超大規模半導体集積回路(VLSI)設計技術です.VLSIシステムの高度化・高性能化・高信頼化は,今日に至るまで,主に材料・デバイスの極限微細加工技術により推進されてきましたが,この微細化技術一辺倒による性能向上は,いずれ限界に達すると予想されています.本研究室では,従来までのシリコンCMOS回路方式のみでなく,新しい材料・デバイス特性を積極的に活用した「新概念」の回路設計・実現方式およびシステムアーキテクチャにより,従来技術の延長によるVLSIシステムの限界を打破することを研究目的としています.具体的には,次世代VLSIにおける配線問題を解決する電流モード多値/非同期ネットワークオンチップ(NoC)アーキテクチャ,記憶機能を演算回路に分散化させて膨大なメモリバンド幅を実現するロジックインメモリVLSIアーキテクチャ,強誘電体デバイス,磁気トンネル接合(MTJ)デバイス,相変化デバイスなどの新機能・多機能・不揮発デバイスを活用したデバイスモデルベース新概念VLSIコンピューティングアーキテクチャなど,マルチメディア応用高性能・高信頼VLSIプロセッサの設計法および実現法に関する研究を幅広く行っています.


 電子機器の「頭脳」として機能するVLSIチップ,およびそれを応用したVLSIシステムは,現代社会のあらゆる産業製品や社会基盤の質を決定する重要な技術です.本研究室では,単なる処理能力の向上だけでなく,人間の脳が行っている知的活動をも模倣するような高機能・多機能なVLSIの実現を目指して,デバイス技術・回路技術・アーキテクチャ技術の融合による新しい設計パラダイムの可能性を模索しつつ,国内外の研究者とも連携を取りながら,多方面にわたる研究を展開していきたいと考えています.

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